歴史 尖閣問題の論点紹介

<歴史 尖閣問題の論点紹介>
ただ今管理者は、歴史特に日本の領土問題に係わる歴史(北方・尖閣・竹島)に関心を持っています。それぞれロシア史、中国・朝鮮史に関連があります。今月(5月)は、尖閣について、石井望氏(漢文学)が著書『尖閣反駁マニュアル百題』を出版するということで、密かに期待しております。

尖閣の論点は、要約しますと二つあります(中国政府の公式見解から)。一つは「台湾の付属島嶼論」です。もう一つは「中国本土(福建省)の一部論」です。どちらの主張も、明代まで遡って「古来中国固有の領土」と主張しています。詳しくは→下記前記事1

1(台湾の付属島嶼か!?)
前者は、歴史的資料を検討するまでもなく、理論的に成立しません。明朝の存在期間は、西暦1368年~1644年です。その後継国家・清朝の台湾島支配開始は、1683年です。明朝はその存在時期、台湾に支配を及ぼしていません。また台湾は、1624年から一定期間オランダの統治を受けていました。それ以前までは、どの国家の支配も受けない「無主地」でした(国家を形成しない先住民の地)。
 したがって、明朝の時期に遡って「台湾の付属島嶼」を主張することは、本島とされる台湾自体が無主地ですので、その付属島嶼論はその意義がなくなります。専門的検討を要するまでもなく、教科書で習う世界史の知識で解決します。

2(中国本土の一部か!?)
後者の「中国本土(福建省)の一部論」も、最近の研究成果から成立しません。中国側の主張は、1683年の琉球への冊封使・王楫『使琉球雑録』にある、現在の大正島と久米島の間(沖縄トラフ付近)が「中外之界」との記述などを、根拠としています。従来これは、中国と外国との分界という意味としていました。
 しかし、最近は、中山王国(=琉球王国の正式国号)と外洋の分界だという見解が、次の研究成果から有力です。明末・清初の中国の海防範囲は、馬祖列島東端の東引島あたりまで、であることが史料から判明しました。したがって、東湧島(現在の馬祖列島の東引島)~大正島(尖閣諸島)までの地域・海域は、無主地・公海だったのです(→下記略図参照)。

[尖閣海域略図]石井氏作成(再掲)
画像














【関連前記事】
 尖閣前史全4回 記事インデックス<目次&解説>

【関連後記事】
<書籍紹介 尖閣反駁マニュアル百題>

【関連リンク】
 いしゐのぞむブログ<ハリウッド映畫「釣魚島眞相」は尖閣と完全に無關係だった>
 同ブログ<小保方stap騷動で思ひ出した。尖閣史料が蒙った誹謗中傷>

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この記事へのコメント

  • Yくん

    台湾は中国の一部であると何か聞いたことがありましたしかし
    最近知ったのですが台湾の人たちは望んでいないらしい
    私は台湾に旅行に行きたいと思っていますが中国に統治されているのであれば怖くて行くきも起こりません。台湾は歴史においても
    中国のものでは無い。領地の拡大は中国の得意技のひとつですが
    チベットにつずき台湾欲張りすぎではないですか。
    2014年05月05日 22:03
  • 管理者Gくん

    Yくん、コメありがとうございます。いまの台湾地域は、中華民国が実効支配しています。しかし、台湾は、日中が国交正常化した1972年の共同声明によって、”中国(中共)の一部”ということになっています。ゆえに、日本政府は他の見解は採れません。過去記事にも書きましたが、尖閣領有は、中共(1971年12月)より先に台湾政府(1971年6月)が主張しました。その関連で、中共は「台湾の付属島嶼」だと主張しているようです。

    現在の中国(中共)は、もとより国際法に従う意思はありません。したがって、尖閣を武力で奪取しようとしています。それを今の日本政府は、「力による現状変更」だと批判しているところなんです。
    2014年05月06日 21:03
  • Yくん

    今日も友達と話をしたのですが、どうも米国は昔の勢いがなくなっているのではないだろうか?米国の国債は今や中国が一番の引き受け国になっています。米国は中国の巨大市場に関心を持ちアメリカの利益・・・・・。自国の利益を優先する
    とかく今から先はアジアが経済の中心となると思われます。
    そうなると脅威はやはり中国
    力に夜現状変更はありということになります。
    2014年05月06日 21:35
  • 管理者Gくん

    Yくん、コメントありがとうございます。中国の海洋進出は、国力が充実したとはいえ異常です。尖閣のある東シナ海はもとより、我々には全然関連のないように見えるマレーシア沖の南シナ海まで進出しています。「力による現状変更」は、南シナ海では現に行われています。その対抗策としてフィリピンが米軍基地を復活させましたね。

    中国は、何かを正当化(この海洋進出とか)するときに相手の反論を封ずるために、先に相手の言い分を持ち出す手法を用います。しかし、日本が用いているこの「力による現状変更」だけは、持ち出しません。批判が当たっているからでしょう。
    2014年05月07日 08:29
  • Yくん

    Yくんは妄想壁があるみたいで実は中韓といろいろもめているのに
    何の対策をも採られていないのであれば日本も同じ穴の狢と思われてしかたない。なぜならODA 無償援助の裏に賄賂あり政治家の心に賄賂あり、いつの世も繰り返される甘い誘惑歴代の政治家に貧乏している人はません。国民の税金は食い物にされている?
    2014年05月07日 21:45
  • 管理者Gくん

    Yくん、コメントありがとうございます。対策とはどういう意味でしょうか!?これはGの持論なんですが、外務省(日本)は、官庁なので上品な外交しかできません。中・朝・韓が仕掛ける外交戦略に対しては、官庁でない「シンクタンク」を作って、戦略を研究すべきと考えています。
    この機関が「領土問題」とか最近でいえば「慰安婦問題」の真相を研究するわけです。その研究成果を、政府の外交方針の参考としたり、国民へも発信して研究成果を官・民で共有しようするものです。

    ODAとかお金に付随する利権問題は、いつの時代でもあることですので、綱紀粛正を図っていくべきでしょうね。
    2014年05月08日 00:10
  • Yくん

    綱紀粛正いい言葉ですね。なんか大昔から言われた言葉ではないですかそれだけ根が腐れているのでしょう。
    イラク戦争はアメリカの意思の情報操作で行われたことだと思いますがまだ誤った情報で始まったと言っています。
    2014年05月08日 22:47
  • 管理者Gくん

    Yくん、コメントありがとうございます。国家予算に利権は、付き物です。容認するわけではありませんが、批判だけでは始まりませんね。Yくん、本文記事に関連して、コメントを入れてくれるともっとうれしいです。いま中国が、ベトナム沖の西沙諸島で、海底資源を掘削する施設を造っているとのこと。ベトナムに無断でです。こういうのは「海洋進出」とはいいません。海洋侵略です。

    中国(外交部)の反論は案の定、上でGが指摘した「相手の言い分」を先に持ち出す方式でした(笑)。この問題、うさぎ屋さんが採り上げていませんね。
    2014年05月09日 19:36
  • Yくん

    Gくんさん一応上記の本文は読まして貰っております。
    歴史を紐解いて対中韓に迫ることで何が変わりますか。と
    日本中の人、世界中の人達に知ってほしいですよね
    そのために発信してるのは賢いやり方ですがんばりください。
    でも韓国はお金を使いアメリカを手懐けました。
    2014年05月09日 22:12
  • 管理者Gくん

    Yくん、コメありがとうございます。まえロシアが、アロー戦争で「沿海州」を獲得したことが、朝鮮での日露の権益衝突を招き、日露戦争へ連なって行ったことを記事にしました。

    今度は、日清戦争後の「三国干渉」→「閔妃殺害事件」→「義和団事件」が「日露戦争」へ連なった行ったことを、ただ今・書籍で取材中です。ときの朝鮮側政権がロシアに依存して行ったことが、朝鮮での日露の権益争いを激化させました。そのあたり記事化できたらと思っております。
    2014年05月10日 23:48
  • Yくん

    Gくんさん第一列島線という言葉がどういう意味を持っているか
    ごぞんG ですよね。今ロシア中国が持つとも危険な国
    2014年05月11日 19:37
  • 管理者Gくん

    Yくん。コメントありがとうございます。最近バタバタして返事が今になりました。ひとつ前で予告したとおり新記事は、ただいま準備中で、なかなか書けません。もうちょっと余裕ができて書けたらと思っています。

    さて、第一列島線とか第二列島線とかありますね。前者は、南西諸島の手前まで、マレーシア沖の南シナ海を含みます。後者は、グアムから小笠諸島あたりまでを含みます。まあー!これは、中国の勝手に引いた線です。中国の願望を表わした線にすぎません。国際法的に効力を有するものではありません。しかし、関連する各国は要注意です。対策はしておく必要がありますね。
    2014年05月12日 23:29
  • 管理者Gくん

    告知)
    上記本文冒頭で紹介しました・いしゐのぞむ『尖閣反駁マニュアル百題』の出版が決まりました。14年6月8日発売だそうです。管理者Gも購入して勉強します。
    2014年05月26日 20:19
  • いしゐのぞむ

    Gくんさん、「さっきNHKのニュースW9で、アメリカの国際法の専門家・弁護士が、南沙諸島について ”中国の歴史を理由とした主張は、史実に反している”と言った」とのこと、それは珍しいですね。アメリカの國際法とかの人は、さういふ腦味噌無いんですけど。もしかしてあの人かな。もし誰だか分かったら今度是非お教へ下さい。その人に論文を送ったりしますので。
    2016年02月16日 22:56
  • 管理者Gくん

    専門家のいしゐ先生に、早速反応してもらえるとは望外でした。ネットで検索かけてみました。

    ミスター国際法廷と呼ばれる米国・ポールライクラー弁護士。<とのことです。元記事→南シナ海めぐる攻防・“ミスター国際法廷”対中国の戦略(02/16 21:40NHKニュースウォッチ9) http://p.jcc.jp/news/10598734/

    その記事(番組)の中で>・・12世紀以降、歴代王朝は海南島までしか主権を主張していないと指摘。<といしゐ先生と同じ主張をしていますよ!。
    2016年02月17日 08:46
  • いしゐのぞむ

    昨日は勤務先で年度末の支出申請締め切りのため、見てをりませんでした。只今リンクを見ました。
    「ライクラー弁護士らは過去900年の記録を調査し、4000ページの反論を作成。12世紀以降、歴代王朝は海南島までしか主権を主張していないと指摘。」
    全く正しいです。きちんと分かってる辯護士ですね。

    2016年02月18日 13:15

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